RedAccess:38万本中5,000本が丸見え — 「公開したつもりがない」アプリ

2026年5月、RedAccess が Lovable・Base44・Replit・Netlify で作られた約38万本のアプリを調べ、約5,000本が社内資料や個人情報を誰でも読める状態だったと報告。見つけ方は Google 検索。プレビューURLは公開URLで、初期設定は「全員に見える」。あなたのアプリで見る3か所と直し方。

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結論から

2026年5月、イスラエルのセキュリティ企業 RedAccess が、Lovable・Base44・Replit・Netlify で作られた 約38万本のアプリ を調べ、そのうち 約5,000本 が社内資料や個人情報を誰でも読める状態で公開していたと報告しました。見つけ方は、Google 検索です。

この記事で伝えたいのはこの一点です。「公開したつもりがない」アプリが、公開されている。プレビューURLは公開URLで、初期設定は「全員に見える」。 変えない限り、そのままです。

  • 露出していたもの:病院の医師・患者の要約、銀行の内部財務、家具店の顧客チャットログ、治験の進捗、出荷船の入港予定
  • 原因1:公開設定の初期値が「公開」。作った人が private に変えない限り、URLを知る人全員に見える
  • 原因2:「社内用だから」とログイン機能そのものが無いアプリが数千本。認証が弱いのではなく、無い
  • 自分のアプリで見る場所は3つ:シークレットウィンドウで開く、公開設定、Google で site:自分のURL

動画版(約2分半)は本文の上に埋め込んであります。

① 何が起きたのか

RedAccess の研究チームは、企業の「シャドーAI」(従業員が会社に無断でAIツールを使う状況)を調べる過程で、これらのアプリに行き当たりました。CEO の Dor Zvi 氏は「多くのアプリが Google などの検索エンジンに索引されていて、ネットを見ている誰でもたどり着けた」と述べています。

規模は次のとおりです。

  • 対象:Lovable、Base44、Replit、Netlify で公開されていた約 380,000 本
  • そのうち約 5,000 本(約1.3%)が、社内または個人の機密情報を露出
  • 露出アプリの約 40% に、医療情報・財務情報・経営戦略資料・顧客とチャットボットの会話ログが含まれていた
  • 数千本 は認証が「弱い」のではなく「無い」。ログイン画面そのものが存在しない

報道機関が実際に確認した例には、海運会社の入港予定船リスト、英国の治験の進捗を扱う医療企業の社内アプリ、英国の家具店の顧客サポート会話、ブラジルの銀行の内部財務情報がありました。ほかに、Lovable 上で大手銀行や宅配会社を装ったフィッシングページも見つかっています。

「公開したつもりがない」アプリが、Google で出てくるまで

② なぜ起きたのか:2つの初期値

原因1:公開設定の初期値が「公開」。

多くの AI アプリ作成ツールは、作ったアプリを「URLを知っている人は誰でも見られる」状態で公開します。研究チームは「一部のツールでは、利用者が手動で private に変更しない限り公開設定になっていた」と指摘しています。作った本人は「まだ誰にも教えていないから非公開」のつもりでも、URL は検索エンジンが拾います。

原因2:「社内用だから」ログインを作らない。

「営業チームの資料まとめ」「サポート会話の分析ダッシュボード」のような社内ツールは、「使うのは自分たちだけ」なので、ログイン機能を頼まない。AIも頼まれない限り作らない。結果、URL にたどり着いた全員が、社内資料をそのまま読めます。

この2つが重なると、「公開したつもりがないのに、Google で出てくる社内資料」になります。Moltbook(RLS未設定)や Lovable の成績閲覧アプリ(逆向きの認証)と違うのは、壊れている設定すら無いことです。守るための仕組みを、そもそも作っていない。

③ あなたのアプリは:3つの質問

  1. 社内用・自分用に作ったアプリが、AIツール上に公開状態で残っていないか。 試作品、途中でやめたもの、デモ。全部です
  2. そのアプリに、ログイン画面はあるか。 無ければ、URLを知る全員が中身を読めます
  3. Google で `site:あなたのアプリのURL` と検索して、何が出るか。 社内資料のページが出てきたら、すでに索引されています

「URLは誰にも教えていない」は理由になりません。プレビューURLはリンク・スクリーンショット・履歴・Slack から漏れ、検索エンジンは公開されているものを勝手に拾います。

④ どう直すのか:ログインを付ける、非公開にする、索引を外す

以下をそのまま AI ツールに貼ってください。

「このアプリの全ページに、ログイン機能を付けてください。未ログインのアクセスはすべてログイン画面へ。ログインできるのは、私が招待したメールアドレスだけにしてください。データを返す API も同じ条件で、サーバー側で確認してください。あわせて、検索エンジンに索引されないよう noindex を設定してください。」

加えて、ツール側の設定も見ます。

  • Lovable:プロジェクト設定で公開範囲を確認。試作品は Unpublish
  • Replit:デプロイの公開/非公開、Secrets の扱い
  • Base44:アプリの Visibility を private に
  • Netlify:使っていないサイトは削除。パスワード保護(有料)か、認証を付ける

使っていない試作品は、消すのがいちばん確実です。「あとで使うかも」のアプリが、38万本の中に入っています。

⑤ 直ったかを確かめる

  • シークレットウィンドウで開く → ログイン画面が出れば合格。中身が見えたら未修正
  • 招待していないアカウントでログインを試す → 弾かれれば合格
  • Google で `site:自分のURL` → 意図した公開ページ以外が出なければ合格。すでに索引されているページは、Google Search Console の「削除」で外す
  • AIツールのダッシュボードで、公開中のプロジェクト一覧を見る → 覚えのないものが無いか

自分で直せないとき:エンジニアに送る一文

「社内用に作ったアプリがログインなしで公開されています(URL:…)。全ページと API にログイン必須の認証を付けて、招待したユーザーだけが入れるようにしてください。検索エンジンの索引も外してください。」

よくある質問

社内ツールなのに、外部に見られて何が困るのですか。

露出していたのは、顧客の名前と連絡先が入ったチャットログ、患者の要約、財務資料でした。「社内用」という言葉は、中身が個人情報でないことを保証しません。多くの場合、社内ツールのほうが生のデータを扱っています。

URLを長くてランダムにすれば大丈夫では。

推測は防げますが、共有・検索索引・履歴からの漏えいは防げません。今回の 5,000 本も、推測されたのではなく、索引されたものが検索で出てきたのです。

Lovable で「Publish」していません。プレビューだけです。

ツールによっては、プレビューURLもログインなしで開けます。②の質問1〜3で確認してください。ダッシュボードの公開状態と、シークレットウィンドウでの見え方が、答えです。

このチェックが通れば、公開して大丈夫ですか。

これは「公開したつもりがないもの」の話です。意図して公開するアプリには、5分チェック①②③(URLの数字・/admin・画像URL)と、キー・RLS の確認が続きます。